糞母日記

人生はつづいていく

私達はそれを誰かに押し付けている

引っ越したはいいけど下水とガスが使えない。

工事が終わっていないのだ。

でも、実家にいることに耐えられなくなって引っ越しを強行したのでした。

で、どのように生活しているかといえば、

ガスはどうにでもなる。

電磁調理器も電子レンジもあるしカセットコンロもオーブンもある。

下水はちょっと困る。

食器洗いは使った水を溜めておいて、窓から庭に捨てている。

お湯も出ないから手が冷たいが、昔はみんなこうしていたのだなぁ。

トイレも流せないから、介護用のポータブルトイレを使っている。

最初は使い捨ての、ペットシーツでできた袋のようなものを使っていたけど、

あれは15枚入りで1800円もするんですよね〜。

試行錯誤の結果、Amazonで1kg1000円で買える凝固剤と安いビニールを使っている。

脅威の消臭袋BOSがポータブルトイレにはまるサイズなら良かったのだけど、

LLでも小さかったのでビニールにある程度溜まったらBOSに捨てる。

ちなみにBOSは猫を飼い始めてから使ってるけど本当に臭わないからすごい。

 

で、人間は1日にバケツ一杯ぶんくらいの糞尿を排出しているのです。

ウンコは出したても臭いけど、時間が経つともっと臭い。

腐ったウンコとしか形容できない匂いがする。

みんな嗅いだことあるか?腐ったウンコ。

腐ったウンコは臭いぞ。腐った死体はもっと臭いだろう。

腐った死体の内部には腐ったウンコもあるのだし。

私達はそういう臭いものから目を背けて生活している。

目を背けてもそれはなくなりはしない。

誰かがどうにかしてくれている。

ビニール袋にずっしり溜まるウンコにシッコ。

これを無数の人間が毎日排出している。

それを誰かの手が、誰かの仕事が、どうにかしてくれている。

 

けものを追いかけ回し、殴り殺し、血を抜いて捌いて、残った骨や内臓はそのままにしておけば蛆が湧く。

そういうものから距離を置いて、パックに詰められた肉を買う。

ウンコを水に流してトイレには芳香剤を置いて、自分が一日どれだけのウンコを出すかも見ないで生きている。

グロテスクだとか不潔だとか言ってられるのは本来自分がやるべきことを誰かや何かに押し付けているからだ。

人類よウンコを直視せよ、そして下水にもっと感謝を。

 

(私達一家が現在ビニール袋にウンコしていることは誰も知らない)