お酒に関して少し
山口くんが飲酒運転。
彼、というかアルコールも薬物も依存症に関してはもっと「医療的なアプローチが必要な疾患」という報道をしてほしいと思うわけですが、
私も今思えばアルコール依存症だったと思う。
周りの人は私のことをただのお酒好きだと思っていたし、
私が「また飲み過ぎてやらかしてしまった」と思うような事もそれを見ていた人達は笑い話にしていた。
人間関係が壊れたり大事な何かを失ったりしたことはなかったけど、
飲み始めたら途中でやめることができなくて、酔い潰れるまで飲んでいた。
お酒をおいしいと思った事はなかった。
でも、お酒を飲んだらそこに何かすてきなものがあるような気がして飲んでいたんだな。
「今ここ」にしっくりきていなかったんだろうか。
お酒を飲むようになってからだから10年以上か、そんなお酒との付き合い方をしてきて、これは依存症だと気付いたのは3人目への授乳が終わって飲酒を再開したころ。
久しぶりに友達と飲みに出かけ、一軒目で帰ると決めていたのに二軒目三軒目、
終電で帰ると決めていたのに、友達はもう帰ったのに、一人で謎スナックで飲み続け店内でゲロ、タクシーでゲロ、こうして文字にするともう本当にどうしようもないな。
そして数日後なんとなく買ったチューハイを自宅で飲んだら止まらなくなり、なんだかんだと理由をつけてコンビニに行き買い足した。
それも飲み尽くした私は、すぐ近くの実家に行き、「夫が飲むから」と嘘をついてお歳暮かなにかでもらったビールを一箱もらって帰った。
私はビールが大っ嫌いだ。
なのに、翌朝最悪の体調で目覚めた時テーブルの上に何本も並んでいたビールの空き缶、
それを見て心底ぞっとした。
嘘をついてまでお酒を入手した。純粋にアルコール分だけ求めて大嫌いなビールをこんなに飲んだ。私は本当にやばいのかも、と思った。
アルコール依存症というと一日中飲んでいるとか手が震えてるとか飲んで暴れるとか、そんなイメージがある人は多いんじゃないかな。
でも、お酒とうまく付き合えない、飲み方をコントロールできない、それはもうアルコールに依存しているんだと思う。
そして結局、飲酒し続けた十数年間、「お酒の先にありそうな気がする何かすてきなもの」は一度も見つけられなかった。
そこにあるのはいつだって自己嫌悪だった。
それに気付いてからは全く飲んでいない。
自分で気付けて、自分でお酒をやめる決心をして、そして実行したことは私の中でとても大切なできごとになっている。
自分がちっぽけに思えるような夜、私は、
あの頃の悪化する夫婦関係の中、一人で考えて一人で決断してお酒を手放した私を思い出す。
それは今まで他人から受けたどんな称賛より確実に、自分を尊く思う気持ちを取り戻させてくれるのだ。