糞母日記

人生はつづいていく

猫が来た

我が家に猫がやってきました。

 

先週、姉の家の目の前の民家の庭で子猫がニャーニャー鳴いていた。

私は今新居の工事が終わるまで一時的に実家に住んでいるので、

「大事にしていた鳩レース用の鳩を食べられた恨み」を長年くすぶらせている父と「猫は家をボロボロにするしそもそも室内で動物放し飼うのはきたねー」と思っている祖父がいる実家に猫を連れ帰るのは不可能である。

でも、鳴き続ける超小さい赤ちゃん猫が気になり、何度も見に行った。

猫発見の翌日、子猫の鳴き声は前日より小さくなっていた。

私は良い年こいて「猫チャンがしんじゃうよーーーー!!!」と両親に泣きつき猫を連れ帰る許可を得たがその猫がいる民家の主はちょっとアレな人なのか門戸に南京錠をかけていたのでインターフォンに辿り着けない。

近くの別民家の庭でガーデニングにいそしむ初老男性に事情を説明すると、

「おれが猫とってやろうか!」と爽やかに虫取り網を携え立ち上がった。

こうして子猫は虫取り網で捕獲され、ニャーニャー泣きながら私の腕におさまった。

ちいさくて、可愛くて、嬉しかった。

 

昔、兄が子猫を保護したことがあった。

うちでは猫は飼えないし、最初から「飼い主が見つかるまで」という条件だった。

無事飼い主が見つかり子猫が去る日、私はわぁわぁ泣いた。

ちいさな猫の手を取り、「この小さな手を覚えておこう。私の指二本分しかないこの小ささを忘れないでいよう…」と固く心に誓った。

 

虫取り網で子猫が掬われた時、

私はまず自分の手を見た。

今の私の指二本分はぶっとくて、小さな子猫の手は今の私の指一本分だった。

 

 

小さかった私よ、

私はついに猫を飼うことができました。

子猫はちっちゃくてふわふわで可愛くて、うれしくて毎日ずっと眺めているよ。

子猫の手は指二本分ではなくなってしまったけど、

あなたが覚えていたかった小さな小さな手、

今度はずっと一緒にいられるね。

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