人生は続いていく
風邪で欠席する息子の連絡帳を登校班の集合場所まで持っていく。
幼稚園は欠席の連絡はオンラインでできるシステムがある。
こういう所が嫌い、小学校って。
祖母が亡くなった。
長生きの末の老衰だったので、
切れば血が出るような悲しみではない。
すぐそこに死体がある。
普通に考えたらものすごい非日常なんだけど、
仏間に寝てる死体を私達は当たり前に受け止めて、
綺麗にしてもらってよかったねと死体を慈しんだりしている。
祖父は祖母を全く大事にしていなかったけど、
一人で「俺もすぐ行くからよぅ」なんて話しかけていた。
「さっさと死ね」と祖母を嫌っていた父の目が赤い気がした。
いつも爪の間に泥がつまってガサガサだった手、その手も晩年は白く細くなっていた。
いつも爪に泥がつまっていた、手はいつもネギの匂いがした。
祖母が動けなくなって、庭も畑も一瞬で草まみれになってしまった。
あれだけの土地を祖母は一人で綺麗に保っていたのだった。
死体の周りで子供達は遊び、喧嘩し、
死体の周りで私達はご飯を食べる。
死斑を化粧で綺麗に隠し祖母は横たわっている。
陽だまりで猫は何も関係ない顔して寝て、
死ぬ人、生まれる人、生きていく人。
LIFE GOES ON、
人生は続いていく。